検索
以前の記事
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 カテゴリ
わたし加藤わ呼について 京都古今東西南北 歳時記・祭事祈・催事喜 地域生活・まちづくり 町家つれづれ 世間美 話したいこと・考えること 三度笠アンテナ(催し案内など) 三度笠推奨 on仕事 暮らしのなかで(三度笠私版) アートがいっぱい 暖簾(のれん)紀行 ICT/コミュニケーション情報技術 ブログの楽しみ うちご飯・友ご飯 京都名店シリーズ お店めぐり おやつアワー 町家できもの事始め 桜だより 自然石クラブ 友人・知人 やっぱり鴨川高野川 京都水情報 奈良県なら 東北 国府白浜ものがたり 近旅・遠旅 子と暮らす(親ばか含む) もののなまえ 十二ヶ月三景(季節の写真) 商店街・市場GOGO 三度笠フィールドワーク 読んだ本から 音楽出会 無人販売紀行 三重県熊野市訪問記 リビング京都の日 Tidepool タイドプール 町家「紫苑(しえん)」から くらしの泉 天理通信 綿田陶器店 名言クリップ ソフトクリーム探検隊 京都ひらぎのワークスTAO 森のめぐみ 日々の記録 タグ
京都(344)
町家(94) リビング京都(80) 加藤わこのフォトローグ(78) 子ども(75) 大衆演劇(71) 暖簾(53) 桜(51) 吉野(43) 町家木彫り猫ギャラリー(42) KANGEKI(42) 点字用紙(40) 高野川(33) 写真(33) アート(32) 旅芝居(31) 秋(28) こども(28) 鴨川(27) 川(27) 記事ランキング
ライフログ
ブログジャンル
お気に入りブログ
藤浩志Report 日々。生きる現代文学 骨董未満 ぽっとの陽だまり研究室 休日アポロ 【こぐれ日乗】by 小暮... arinco's kit... ニューヨークの遊び方 積ん読帳 掟ポルシェの赤黒い日記帳 Pushpin Diar... 中で出すのが愛なのか Art & Bell b... 北野洋品店 跡地 ニュースの現場で考えること クイイジーヌmintot... 切手分室。/北欧・東欧切... kimcafeのB級グルメ旅 北崎通信局 焚き火を囲んで眠るような話 eXcite ことば・言... ホームレス文化 中東イベント情報 酒粕倶楽部 イノレコモンズのふた。 雑貨と日々の一期一会 ... ばーさんがじーさんに作る食卓 パンダのぶつくさ 一花一葉 旅とデザイン 京都から世... おいしいもの見つけ隊 隊... まめにっき。 毛先生がゆく 釣りじいさんの 《下手な... 古今東西風俗散歩(移転し... 釣れ過ぎた時の釣魚料理レ... きょうも散歩気分 漂流生活的看護記録 轟美穂の今日のボイコネ! 塩るいじの惑星少年 彷這バラッド La cucina pr... 未定稿 @ 京都 ジギタリスレコード喫茶部 虚空界摩訶不思議 by... 雨傘芸術談義 ゆうじゅ yuju エトブン社 絵草紙 明治の芝居小屋 康楽館 Suite in Style bikkeのat home ふりつもる線 daily-sumus *dharmaknit*... 幻に魅せられて… 『こんなこと あんなこと』 L'ATALANTE 使える「デザインセミナー」 石のコトバ ジャズ侍の無節操三昧 前崎日記 さいほう日記 武蔵野うどん&田舎うどん うらたじゅんの道草日記 路地裏統合サイト【町角風景】 マッチ博物館 まろんのゴロニャン日記 艶芸サロン さし絵のサイン Coco Pujer 花景色-K.W.C. P... 日本のワインを訪ねる。 KIYATAの日々 塩屋百景 アサダワタルのブログ(※... ペネロペの星 きれい 西本喜美子の創作生活 Living Well ... 声と風景 閑房雑録(元アキバという... iinn4 think まちなみ プ... MOTTAINAIクラフ... えいえもん日記 みづきのぶろぐはからあげ... フラヌールのかたち トリップ管理人の部屋Vol.1 twelve seven... アイデアにんべん てまねき羊 ゲ ジ デ ジ 通 信 パァジュ ド マリールイ... マリールイーズからのパリ便り C級呑兵衛の絶好調な千鳥足 今日も京都の空を見あげて... 鈴木衣津子のイラストレー... あの山のむこう 天若湖アートプロジェクト 視力0,01 花の庭づくり庭ぐらしガー... cococu-おうみの暮... wanokashi 89 ひとり時間 Design note twelveseventeen cheers mate! 百職手帖 美ら海・沖縄に基地はいらない! 長野洋樹 - 詩人 / ... とれたて京都・とっておき... 農家の嫁の事件簿 +(ぷらす) 油断するなここは戦場だ casablog 生活のおと picasom こどもアート The Lodge & ... bakubaku on ... カバのアイス屋さん トリップ管理人の部屋Ve... I Love Kyoto... 20110311μSv/h 575筆まか勢 江崎満の小さな不思議 まち・みち・みせ 脱原発デモ × ステディカム うつくしま☆ふくしまin... キョウトノケシキプロジェクト petit papier OMORO holoblog こどものにわ 京都・市民放射能測定所ブログ 川口美術 Crochet with... P.T.A―Part T... Kiborigine D... CLAMP COFFEE... 反ジェントリフィケーショ... My Link List
2015/3/7 更新:リンク追加しました(順不同・敬称略)
◆SNS account◆ ◆関連サイト◆ 浅田羽菜さんの家族とともに歩む会(サイト管理しています) ウェブマガジンambisus(アンビサス)連載コラム書かせてもらってます 住民ガイドとまちを歩こう【まいまい京都】ガイドやってます 京都ソーシャルアントレプレナーネットワーク(KSEN)運営委員やってます ◆ブログ(Excite以外)◆ 飯館村 村民の声 洛中洛外 虫の眼探訪(必見!) 藤野正弘の京都まち暮らし 川本卓史京都活動日記 黄瀬紀美子の活動日記 そふとな独り言。 光島貴之さんブログ「少し窓を開けて」 bakubaku こもれび庵 シャケベン。 ピュア・ハート まさ爺の農家web日記 あみぃご亀岡ブログ ねこにまたたび ★やまねこカフェ@琉球★ 釣りじいさんのぼやき ばーばのきまぐれ日記 こころのレンズ in京都 大谷心基さんブログ 惣ーつながるブログ(こだわり滋賀ネットワーク) 軟弱者 自給自足に挑む! agri-life, practical life soft-haircutters くまこ道 信楽STLYE『ギンゲツ珈琲』 あっこちゃんの思いつき日記 クリハラ薬局・『ニコニコ日記』 なにを読んでも なにを見ても聞いても フェルデンクライス 創る和紙職人ハタノワタルさんブログ リビング京都の映画評ライターmiyataさんのブログ「今日の素敵さがし」 酒井安紀子さんブログ ニゴロフナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!~滋賀の里山に遊びにきてねdoracocoさんの日記 秋田の「ダースコちんどん隊」カチューシャ安田さんのブログ ぱらぱら日記 こぎと えるご すむ 岡本康兒さんブログ 池田香代子さんブログ 平井純さんブログ風日和 京都市右京区のうつくしい棚田の里ブログ〜棚田の見える場所から・・・ Arashiyama Appartement RoyalーIkukoさんの嵐山通信 N.Y.在住Kimさんのブログ:Hi, How are you? あたしが女とセックスする話はシモの話じゃなく人生の話なの 山猿 日記ふう写真帳 マスキングテープ図鑑 美優 整理収納 ~スッキリ暮らす SIMPLE LIFE~ もんじゅくんのブログ Sightsong design style4 「住宅都市整理公団」別棟 FRENCH BLOOM NET-INFO*BASE 窓の図書館 根本かおるの社会派映画案内 レモン糖の日々 日常旅行日記 命を磨く言葉 Webのチカラでプチ起業のお手伝いアトリエぼたん perspective 火(ホ)と「ニワ」と鍋釜 no rain, no rainbow sigh of relief むだにびっくり 琴線探査 晴耕雨読 大衆演劇探訪記 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 大衆演劇《鹿島順一劇団》見聞録 おきく's第3波フェミニズム lessorの日記 ZeAmiブログ(世界の音楽) 社会、文化、若者論ブログ ボン兄タイムス ゆかしなもんの昭和的ガーリー文化研究所 よもやま日記 Songlines かんかん! 森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション 瓜南直子のブログ 昭和レトロ生活 散歩の思考 井野孝行さんブログ 古書の森日記 by Hisako 紙魚 東 京 寫 眞 日 録 東京、北の生活 ベルギー在住イラストレーター アジサカコージさんブログ ◆cafe,shop, etc.◆ キッチンハリーナ 京都・東山・高台寺 まほうや cafemillet(カフェミレット) カフェ日杳 小さな小さな美容室ママネ 左京区吉田にある鉱物のお店「このえのこ」 小さなパン工房 Coupé Baguette-クープ バゲット- 表参道洋品店 ◆Org WebSite◆ i-Ten-Labo びおんぼ ユメチエプロジェクト 京都ひらぎのワークスTAO 奇石博物館 あみぃご亀岡 京都市地域ITアドバイザー(CITA) 自然農法研究会 特定非営利活動法人京都ほっとはあとセンター ソフトウェアサービスのstudio radish Two-Birds Project NPO法人まどり 有限会社時代工房 財団法人インターネット協会 益富地学会館 真南風(まはえ) 「ぼちぼちと京都」京都の知恵と文化を生かした暮らし方サポートサイト 京都の製麺機メーカー山田鉄工所 京都御室のこすげ治療院 ヒキダシワークショップ 福島原発事故緊急会議 プラス・ハンディキャップ 福祉新聞 デザインクリエイティブジャパン アートアンドモア coinaca まだある。昭和ナビ 日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ 小樽文学舎 地方財政情報館 10+1 web site 企画のたまご屋さん 介護業界を変える NPO法人もんじゅ 無料で学べる大学講座"gacco" 日本玩具博物館 ping-mag ◆Personal WebSite◆ ナツの南の島子連れ滞在記 天国に一番近い島ツバルにて 青い夢をみてた こじまいづみさん **DAYS** Hibilog青木優さんブログ 韓国の編集者リアコさんのサイト 리아코만 알려주는 일본 メス鮭 「金子(きんこ)」のひとり言 ジャーナリスト藤原亮司 ◆World WebSite◆ L'art de la FIBRITE dezeen JUXTAPOZ Design and Violence 9カ国語で読めるスイスのニュース outsider-art-fair shahrazad-art southernvisionary-art Souls Grown Deep Foundation 外部リンク
最新のコメント
最新のトラックバック
|
毎月送ってもらっている フリースクールわく星学校の 『わく星通信』7,8月号の特集が とても素晴らしかったので わく星の山下敬子さん 著者の清水響さんらの承諾を得て 紹介させていただきます 『こどもが教えてくれたこと・ 安曇野プランの実践記録』です 『安曇野プラン』とは: 「知的しょうがいを持つ子どもたちを 対象にした算数プログラム」のことで こどもが数の概念を獲得するために お題目のように唱えさせるのではなく 人類史にヒントを見い出し、つまり まだ数という概念がなかった時代 人々はあらゆる手段で数量を認識 していたという、そのことに着目し プランニングされたものだそうです 『安曇野プラン』。 なんだかワクワクしませんか わたしは数学に対する苦手意識が強く 本来とても豊かなはずの数学の世界を 知らずに終わってしまったクチなので 「これなら仲良くなれるかもしれない」と 期待を高めながら一気に読みました とちゅう、何度も涙しながら... 以下、少し長いのですが 清水響さんが主宰する 『がじゅまる教室』での実践記録の 前編を全文紹介させてもらいます (後半含む全文PDFはこちらからダウンロードできます) 子どもが教えてくれたこと~安曇野プラン実践記録~ 清水響(しみず・ひびき・がじゅまる教室主宰) わく星学校では水曜日のスタッフをしていますが、本業は「がじゅまる教室」という、知的しょうがいがある子どものための算数教室をしています。わく星学校とがじゅまる教室は、私にとって、片方で学んだり得られたりしたことがもう片方の実践に役立つという、とてもありがたい関係です。 がじゅまる教室が行っているのは、「安曇野プラン」という知的しょうがいを持つ子どもたちを対象にした算数プログラムです。安曇野プランに出会い、それを実践するためにがじゅまる教室を立ち上げ、今年で4年目になります。今回は、がじゅまる教室のことを書きたいと思います。 安曇野プランとは? ほかの人たちはヒョイと飛び越えていく段差でも、足が悪い人にとっては大きな壁になり、その先に進めないことがあります。だから、建物を建てたり道路を作ったりするときに、出来るだけ段差をなくしたりスロープを付けたりすることで、車いすの人でもそうでない人でも自由に行き来できるように工夫したりします。いわゆる「バリアフリー」といわれるものです。 知的しょうがいがある人にも、同じことが言えます。ほかの人たちが簡単に成長の過程で飛び越えていく認識の段差が、知的しょうがいのある人には大きな壁になります。そこで、認識のスロープを作っていくことで、知的しょうがいのある人でも算数を楽しめる(そう、算数って楽しいんですよ!)。頭の中のバリアフリーの工夫をしているのが安曇野プランです。 例えば、ほとんどの人はいつの間にか獲得している「数」という概念ですが、これもちょっとした壁になります。これまでの特別支援教育では、数を獲得していない子に対しては、日常生活の経験を多く積むことが主で、(もちろん、これもとても大事なことですが、)子どもが数を獲得するまで成長するのを待つ、もしくは、お題目のように数を「唱える」ことを覚えさせるという方法が多くなされてきました。 この数の概念を獲得するために安曇野プランがヒントにしたのは「人類史」です。人間(ホモ・サピエンス)が地球に誕生して約20万年ですが、数の概念ができたのは約5千年前と言われています。しかし、数の概念が生まれる前の時代も、人々はいろいろな工夫をして、(例えば羊の数を管理するのに小石を使ったり、家族の人数をひもの結び目で把握したりして、)足し算や引き算などの場面も解決してきたあとが遺跡の中に残っています。人間が数を獲得する前にも、豊かな量の世界があり、その中で人々は数の概念を作りだす土台を作ってきたわけです。これをプラン化した、安曇野プランの「数に入るまで」の流れをご紹介します。 数に入るまで 子どもとのごっこ遊びの中で、次のような場面を作ります。お人形のお客さんたちがお家に遊びに来ます。お客さんはお腹がすいているので、食べ物をあげることにします。(図:数に入るまで1) 最初の段階では、直接お客さんにおにぎりをあげる、という、いわゆる1対1対応をしてもらいます。 お客さんたちにぴったり食べ物をあげられるようになったら、今度は、食べ物をお店に買いに行く、ということをします。この時、お店とおうちは離れているので、そのままだとなかなかぴったり買ってくることができません。まずはお客さんをお店に一緒に連れていくとぴったり出来る、ということを経験してもらいます。その後、今度は「お客さんが風邪で一緒に行けない」という場面を作ります。子どもは、一緒に行かないとぴったり準備できないことを知っているので、大抵困って買い物に行きたがりません。この時、お客さんが「私の絵を描いて、代わりに連れて行ったら?」と提案します。子どもはメモ用紙にお客さんの絵を1匹ずつ描いて、それを代わりにお店にもっていきます。 この絵が、最初はとても具体的にそっくりに描かないと「お客さんの代わり」と見なされなかったのが、だんだん「丸でも大丈夫」「点でもお客さんの代わり」「紙だけでも」「キューブでも」「おはじきでも」お客さんの代わりになるということがわかってきます。そうなって初めて、「数」の勉強に入れるのです。(図:数に入るまで2) 子どもは遊んでいるつもりの中で、楽しみながら人類が数を獲得してきた歴史をたどり、数概念獲得の力を育てていく安曇野プランに、私は惚れてしまったのでした。 そしてさらに、安曇野プランの良いところは、正解は「大人や教師が提示するもの」ではなく、つねに「場面の中にある」のです。正解はだれか偉い人が持っているのではなく、自分で場面の中で確認できるものなのです。数のプランのあとは、足し算、引き算、かけ算、割算、方程式とプログラムが続くのですが、すべてにおいて、正解は、本人が場面の中で確かめるようになっています。具体的に言うと、お客さんに食べ物を配って「ぴったり」かどうかを確認し、「いただきます」をします。 今、かけ算の勉強をしている中3の子は、私がうっかり「いただきます」を忘れて次の課題に行こうとすると、「なんで食べささへんねん!」と言って怒ります。そんな時、「計算って、ただ答えを出すためにするのではなくて、誰かや何かの役に立つためにするんだな」と再確認させられ、テストのための計算に毒された自分を恥ずかしく思ったりします。 勉強以前の話 そんなこんなで、安曇野プランを実践したい!と、がじゅまる教室を立ち上げたのですが、最初はなかなか安曇野プランにたどり着けずに苦労しました。がじゅまる教室の最初の生徒、Aちゃんが、私に「勉強以前のこと」をいろいろ教えてくれました。 ダウン症のAちゃんに初めて出会った時、彼女は中学校1年生の3月でした。親御さんの「みんなの中で、地域の中で育ってもらいたい」という思いがあって、普通学級に通っていました。とても明るく、歌と踊りが大好きで、ちょっとおませな感じの子です。まずは様子を知るためにも、安曇野プランを最初からやってみようと思いました。 週一回、Aちゃんの家に通うようになって2,3回たった頃、Aちゃんは中学校2年生に進級しました。私にもだいぶ慣れ、緊張した様子もなくなってきた頃でした。 Aちゃんは突然私を無視するようになりました。しかも、単なる無視ではなく、Aちゃんの横にまるでお友達がいるかのように、1人芝居で周りと会話をしながら無視をするのです。とても意地悪そうにこちらをチラッと見ながら、こそこそと隣の友達と話をして、私を指さしながらキャハハと笑います。こちらが何と言っても反応せず、横にいる見えない友達と話し続け、私と目が合うと「ふんっ」とそっぽを向くのです。そのような状態が1時間近くも続く日もありました。 とても戸惑いました。私のことが嫌いなのだろうか?算数をするのが嫌なのかな?やり方が悪いのだろうか?それとも、Aちゃんは病気なのかもしれない。どうしていいのか分からず、こちらから色々と話しかけたり、Aちゃんと見えない友達との会話に無理やり入っていこうとしたり、絵本やカードゲームを持ってきてコミュニケーションをとろうとしたのですが、うまくいきません。私自身、とても悲しい気持ちになり、どうしていいのか分からずに途方にくれていました。 そのようなことが2・3週間ほど続いたある日、「もしかしたらこれは、Aちゃんが学校でされた嫌なことを私に再現しているのではないだろうか」と、ふと思いました。2年生に上がって新しいクラスになり、Aちゃんと初めて同じクラスになった同級生が、心ない意地悪なことをしているのかもしれない。 そう思ったので、Aちゃんが無視をしている間、私はAちゃんから学校であったことの話を聞いているつもりになりました。学校であった嫌なことを言葉ではうまく伝えられない代わりに、その様子を1人芝居で再現して私に伝えたがっているんだな、と思いながら、その様子を見ていました。見ているうちに、私の中で、Aちゃんを無視するクラスの子たちへの怒りがむくむくとわき上がってきたので、怒りをこめてこう言いました。「本当にいやになっちゃうね。だれ?そんなことをする人は。私がやっつけてやる。」すると、Aちゃんは一瞬ハッ、とわれに返りました。そして、にっこり笑って、「しゃあないやん。さあさ、勉強、勉強」と言い、つき物が取れたかのようにスッキリと安曇野プランに入ることができたのです。それは、とても驚いた瞬間でした。 その後も、がじゅまる教室の最初の10分ほど、Aちゃんは私を無視しました。私は、「ああそうかそうか、Aちゃん大変やな、えらいな、その子本当に意地悪だね、本当にいやになっちゃうね」と、Aちゃんの気持ちを代弁しながらそれを聞きました。すると、一通り1人芝居をした後、気持ちの切り替えができ、すっと勉強に入れるようになりました。 大人でも、大きなストレスや悩みがある時、何も手につかなくなってしまう時があります。そんな時に、愚痴を聞いてくれたり、状況をわかってくれる人がいるだけでつらさが軽減されたりします。 しょうがいがあってもなくても、つらいことや悲しいことを吐き出し、他人と共有し、寄り添ってもらう事で、人は前を向いて歩いて行ける。Aちゃんは私に、勉強以前にもっと大切なことを教えてくれました。 それともう一つ教わったことがあります。最初、私はAちゃんの無視という行動が、どういう意味を持つのか全く分かりませんでした。しかし、その行動の裏にある本当の理由がわかった時に、私とAちゃんは通じ合えたというか、近づくことができました。一見奇妙に見える行動の裏には、何か必ず理由がある。「不思議なことをしていてよくわからない」で終わるのではなく、その行動の真意、本当の意味を探ることの大切さを教えてもらいました。 (後編につづく・本記事末尾のPDFダウンロードで全文ご覧いただけます) (文中の太字は加藤わこによるものです) 【Information】 ●がじゅまる教室への問合せ gajyumarukyoushitu@gmail.com(清水響さん) ●フリースクールわく星学校 〒606-0026京都市左京区岩倉長谷町745 (郵便物は〒606-8267 京都市左京区北白川西町85-3 山下敬子さん宛) 電話 075-702-7338 もしくは、事務局:075-722-4579 FAX 075-722-4579 E-mail kosa@gol.com ●なぜ「安曇野プラン」? 長野県安曇野で集まって作られたことから「安曇野プラン」と名付けられたそうです ●「こどもが教えてくれたこと〜安曇野プラン実践記録PDF」 こちらからダウンロード出来ます
by sand_gasa
| 2011-07-09 12:58
| 三度笠推奨
|
Trackback
|
Comments(3)
安曇野プランを紹介していただき、ありがとうございました。
このプラン、ボケ老人にも 使えるかも・・・と ふっと思いましたが、清水響さんのような根気と情熱は ぼくにはとても、と、はなから諦めてしまいました。 「勉強以前の話」でのAちゃんの“ひとり芝居”には、ボケ老人にも共通するものが感じられました。 清水さんのように考えてあげないと、と、反省しきりです。 いつも ハッとする記事を発信していただいて、「わこ三度笠書簡」には感謝しています。
0
Commented
by
sand_gasa at 2011-07-12 22:37
山田延彦さん
コメントありがとうございます! 「安曇野プラン」その名前からまずワクワク わたしもこどものころに出会っていれば 数学ダメ人間にならずに済んだのではと思ってしまいました 大人の今からでも遅くない??でしょうか 長くなってしまっても全文掲載をと思ったのは どうしても「勉強以前の話」の箇所を入れたかったからでした 読みながらなんども涙がこぼれてしまい また おおいに刺さるものがありました 読んでいただいて そう言っていただけて本当にうれしいです 響さん、すばらしい先生です さて ともあれ 数学、数学 「自営業者が数字を読めなくてどうする?!」ううう 清水さんのように「そう、数学って楽しいんですよ!」と たからかに言うのが夢なのですが。。。
Commented
by
通りすがり
at 2013-08-12 16:23
x
「ボケ老人」の表現はどうなんですかね。。
たとえ2年前でも違った表現があったはずですが。。。
|
ファン申請 |
||