「お菓子はこころの栄養」と
教えてくださったは どなただったか
お菓子やさんが売っているのは
ひとときの夢であり
ひとをつなぐものでもありますね
さてこの連休にいただいた
3つのまちの郷土菓子
食べるのもったいないような
語りたくなるものばかりで
久しぶりのおやつアワーは
その地その地の風はこぶ
お菓子たちを紹介いたします
5月1日
Fujimotoさんからいただきました
長野県飯田市「はと錦」の本そば万十
包装紙のりんごの絵が
じつに可愛らしくて
あけるのが勿体無いような
しかし食べるためには
あけねばならぬ するすると
めくれば箱もまた素敵
信州蕎麦の香りたつ生地と
上品な甘さの餡が絶妙で
しっとり美味しいお万十でした
5月4日
三重県熊野市駅前に いい感じの
お菓子やさんがありました
店頭の貼り紙の「おさすり」とは?
たずねますと
端午の節句に作られる
サルトリイバラの葉でくるむ餡入りの餅を
「おさすり」というそうで
柏餅の熊野版というところでしょうか
「なんで『おさすり』なんですか?」とわたし
「さあーなんででしょう。この辺りでは
昔からそう呼んでますからねえ」と店の方
名もしかりですが味も気になる
さっそくベンチでいただきました
出来たてやわらかお餅と
五月の野山の匂い
うましうましと
ひとり抜けがけ ほおばれば
和太郎に見つかり
「ずるい!」を連発されるおかん
あげるつもりやったんよ〜(ほんま?)
5月5日 夜おそく
岩手と青森に行っていた夫が
持ち帰ったおせんべい
おおこれはまた
見るからに美味しそう
夜明けを待って食べました
トッピングがピーカンナッツとは珍しい
パシッと硬めの南部せんべい
香ばしい手焼き生地は
噛むほどにじんわりと
素朴な甘さがひろがります
インターネットで調べましたら
やはりこだわりのせんべいやさんでした
「小山せんべい店」ウェブサイト
珍しいと思ったペカンナッツには
こんな逸話がありました:
「昔ながらの津軽のせんべいは落花生とゴマが合う。
それ以外は邪道だ。」それでも小山悟はあきらめられず
父の目を盗んで高級ナッツのせんべいを焼いた。...
お菓子やさんが売るものは
お菓子だけではないように
先達から受け継ぐものは
暖簾や技だけではないのだなあ
胡麻や落花生にしても
もともとこの地には
なかったものだろうから
さらに時代をさかのぼれば
北前船が京都と東北を行き来したという
ものの流れは わたしたちが想像する以上に
活発でゆたかであっただろう
せいべいの上のナッツを愛でつ
夫から聞く岩手と青森のはなしに
北のかの地を思う連休も終わるころ
ようやく気温があがり
5月らしくなってきた京都です
【Information】
■信州飯田「はと錦」
長野県飯田市鼎一色64-1
TEL 0265-22-0810 FAX 0265-22-5524
年中無休 (支店)火曜日
■熊野市 ナガシマ駅前
三重県熊野市井戸町656−1 JR熊野市駅前
tel:0597-85-3398
■おさすり
和歌山県情報館郷土料理のページより:
おさすりは「いびつ」とも。端午の節句には「おさすり」や「ちまき」を作って神棚や仏壇にお供えします。昔は、もち麦粉で作った茶色の「おさすり」や、小豆あんではなくそら豆のあんを入れた「おさすり」なども作られました。... (上記リンクに作り方があります)
■元祖手焼き津軽路 小山せんべい店
弘前市大浦町5-3
TEL 0172-36-8088 FAX 0172-36-8089
営業時間 8:00~18:00 定休日 年中無休
お店のサイトはこちら
ネット販売は原則なし 電話問い合わせのみ対応とのこと