あいだがあいてしまいましたが
6月10日付け記事のつづき
京都商工会議所観光・運輸部公開シンポジウム
「これからの京都観光を担う京女たち」
聴講レポート 後編をお届けいたします
以下例によって長くなってしまいますが
お付き合いいただければありがたく
後半の幕あけ幕あけ
京都商工会議所観光・運輸部公開シンポジウム
「これからの京都観光を担う京女たち」
(パネリスト)
●京菓子 鈴鹿可南子氏(聖護院八ツ橋総本店取締役)
●お茶屋 西村舞氏(先斗町「舛之矢」若女将)
●京料理 村田紫帆氏(「菊之井」若女将)
●京の宿 山内理江氏(祇をん新門荘 若女将)
●旅行業 山本千里氏(JTB西日本 京都観光事業開発室)
(コーディネイター)
●村田晃嗣氏(同志社大学法学部教授)
前編では 鈴鹿さん 西村さん 村田さん
3名のパネリストのお話をご紹介しましたので
4人目のパネリスト 山内理江さんからご紹介
●山内理江さん
祇をん新門荘 若女将
「ホテルグランヴィアさんの会場で
言うのは はばかられるのですが
『京都に来たら旅館に泊まろう』
というキャンペーンがありまして..」
とおっしゃるに どっと笑いがおこる
わたしも民宿旅館に泊まりたい派なので
大いに共感 それだけではなく
5名のなかで 山内さんのご発言が
もっともこころに響き 惹かれたのは
ご自身の言葉で話しておられると思ったから
この立場で ましてやこの舞台で
なかなか出来ることではないです
「小さいとき、家(旅館のことです)に泊まる
修学旅行生に よくからかわれたので
彼らを長いこと好きになれませんでした」
という山内さんが
いつ家業を継ぐ決意をされ 今に至るのでしょう
ご生家の旅館だけでなく 旅館組合の仕事まで
引き受けられているといいますから
どんな思いがあってのことか
聞いてみたくなりました
●山本千里さん
明治40年創業の高尾の料理旅館
「もみぢ家」さんの三女として生まれ 現在
JTB西日本京都観光事業開発室室長代理
京都における体験型・着地型観光の普及に
意欲的に取り組まれているという
まさに今回のシンポジウムのテーマを
全身で背負っているような方です
「家ではいつも『全てはお客様のために』と言われます」
という山本さん
サービス業の厳しさを 小さいころから
見聞きされていただろうと想像する
わたしの家も店を営んでいましたが
父や母や祖父母から こんな教えや商売訓を
ただの一度も聞いたことがないなあ
まあ京都の大店と比べたらあきませんが..
さて 5人のお話が一巡したところで
コーディネイターの村田さんが
まちづくりや観光について みなさんに
いくつか質問され 話題を広げます
「高さ規制など更なる景観への配慮を望みます」(山内さん)
「テーマパークではなく、生きたまちに」(鈴鹿さん)
「ニセ舞妓さんによる弊害」の報告もありました
まとめとして 村田さんが「クリエイティブ都市論」から
3つの「T」を挙げられました
活力のあるまちとそうでないまちの差は:
Technology テクノロジー技術
Talent タレント 俊秀な人材
Ttolerance トレランス 寛容性、多様性
という 3つの「T」があるかどうか、だそうです
これに加えて京都には4つ目の「T」
Traditional=伝統と言いたいところでしょうか
生きた伝統のまち 伝統の活きるまち
ただ さきほどの「ニセ舞妓さん問題」のように
伝統と寛容は 相反することがあり
たとえばわたし自身のことでいいますと
長いこと「着物を着る」のをサボっておりまして
トラディショナルの日常維持は
正直難しさを感じてしまいます
(着たいように着ればいいのだろうけれど
着るならきちんと着たいと思ったり)
正解や万能策はないと思いますし
何だかなあなことも多い京都観光事情ですが
個人的に 希望を感じられたことは ただ1つ:
かくも若く聡明な女性たちが
京都の観光ビジネスに従事され
日々挑まれているということ
それだけで 単純にうれしく
元気が出たひとときでした
ありがとうございます
その夜
祇をん新門荘の若女将のブログを拝見しました
「祇をん新門荘」
祇をん新門荘 若女将のブログ
やはり にらんだとおり
いいところがいっぱいの山内さん節
出る杭は何とやら..なんて気になさらず
どんどん出すぎていただきたいです
今度ICT関連の講座をさせてもらう際に
ビジネスブログの好例の1つとして
ぜひ紹介させてもらいたいと思いました
それにしても京都 あな深し
「せやし だし巻 京そだち」
につづくショックを受けて
わたしごときが京都を語るなど
100年早いと知らされるも
なお語らずにおれない京都とは
恐ろしくも面白いまち、ちゅうことで
魅せられた(降参した?)者が
いつのまにか 無償で宣伝役を
買って出たりなんかして(つまりわたし)
結局いいように使われているわけで
いやはや恐るべし京のまちなのでした
【MEMO】
京都市発行の
「創造する市民」第94号掲載「京都花街の経営学」の講演録を読みました
舞妓さんの育成プログラムや 競合他店との共存ルールなど 古いしきたりの1つ1つが
経営的視点からみて じつに良く練られたシステムになっているという
京女経営サミットなんて面白そう
目からウロコの経営理論がたくさん伺えそうです