琵琶のからだは桑の木で 五弦は絹で出来ているそうです先週は「北白川にて馬頭琴」 今週は「松ヶ崎にて筑前琵琶」
古楽器の音色を楽しむ機会に恵まれました
「琵琶を弾いて10年になる友人の、魂が洗われる音色を聞きにきませんか」という
もんでん奈津代さんのメールに それは行かねばと思ったのは
私だけでなく みな同じだったようで 着けば たくさんの人が集い
はしゃぐ子どもたちの声が 松ヶ崎の山に響きます
見晴らしのよいお座敷で 重田旭照手(しげたきょくしょうて)さんが
琵琶で語るは 二つの話
「文覚発心」は 恋敵を狙うつもりが 愛する女性を殺め 出家する男の話
「羅生門」は 夜毎現れるという鬼に 貴公子が挑む様を描いた 有名な話
「よく結婚式で弾いてと頼まれるんですが
お祝いの席ににふさわしい曲がまだ弾けなくて...」と 旭照手さん
たしかに陰りのある音色と 「びよょょょーーん」という独特の余韻のせいか
人が死ぬ 滅びる悲劇や 怪談など どちらかと言うと陰のイメージがします
旭照手さんの奏でる古琵琶の音は 秋の部屋にとけ
きりりと ひとつひとつ美しい語り言葉から
平安の闇が浮かびあがり しばし古典の世界に浸りました
いい音を聴いた後は なんといいますか きれいな水が注がれた森の気分です
琵琶による平安絵巻を楽しんだあとは みんなで食事集まった方はいずれも何かの達人(?)で
バラバラなようで どこか共通する意識が感じられ
話尽きず みな再会を誓い合いました(オーバーかしら)
なっちゃん作 秋の炊き込みご飯今宵もやっぱり友ご飯 ありがたく 音食一体のご馳走様
追記:「琵琶は悲しい曲ばかり」と書きましたが お目出度い曲もたくさんあるそうです
お詫びとともに記します(2007.10.4)