「ブッダのように私は死んだ」という歌があります。
(作詞作曲:桑田佳祐 / 歌唱:坂本冬美 2020)
愛した男に騙され殺され埋められ…そんなショッキングな情景を、ロック調のアレンジで坂本冬美が艶っぽく、歌い上げます。
死に際で、故郷を切望したり、最後に食べたいのは「みたらし団子」とか、リアルでユーモアに富む歌詞を楽しみながらも「それは違うぞ桑田佳祐」とツッコミを入れた箇所があります。
「若い頃はそれなりにモテたわ
もう見かけを気にする歳じゃない」
ここです、ここ。
「歳を取ると見かけを気にしなくなる」
果たしてそうでしょうか。わたしの場合、歳を取るほどに、見かけを気にするようになりました。そうせざるを得なくなったと言うのが正しいか。
鏡を見るたびに「見かけ」の衰えに直面させられる日々。若い頃は何もしなくてもツルツルしていた肌がボヨンとたるみ、いつの間にか出来たシミ、薄くなる髪、増える白髪…これらの老化現象に対して、自然なことだからと受け入れられる?
「BBA」と言う、高齢女性を下げずむ言葉があり、結構な頻度で使われます。
今、わたしはその言葉を聞くたびに傷ついています。「オバサン」「ババア」と言われて、なぜ「傷ついた」と思ってしまうのか。自己否定で、二重に辛い。
なぜ、歳をとった女性はみんなから馬鹿にされなければならないのでしょうか。
何も悪いことをしていないのに。でも、女性として生きている限り、誰もが間違いなく馬鹿にされることになるのです。
こんな恐怖があるでしょうか。だから「アンチエイジング」に、手を出さざるを得ないのではないかと、考えました。
「出来るだけ若々しい外見を保ちたい」と願う人が大勢いることは、昨今の美容医療の進歩を見たら、明白でしょう。そこには世間の高齢女性への蔑視も大いに関係していると思います。
一定の年齢に達した女性たちが、そんな恐怖と日々直面していることを、桑田佳祐はわかってない。
桑田佳祐だけじゃない、「BBA」と言われる側にならない限り、理解もされないし、気づかれもしない。
自分も、そうでした。この歳になるまで気づかなかったんです。
呼吸するように高齢女性を侮辱する社会で、年齢を重ねていかなければならない立場としては、この事象にどう向き合っていけばいいか、わからず、困っています。
どなたかアドバイスくださいませ〜マジで